久しぶりの日勤です。6

Posted on

前回までのあらすじ・・・

朝からサタさんにつかまり、
新しい入居者さんが入る居室のチェックを終え、
キヨエさんにつかまるも事務仕事をいくつか終え、
福祉タクシー事業の担当者と打ち合わせをし、
またキヨエさんにつかまるも、
とうとう現場にたどりつき、将棋。相手は二郎さん。
不利な形勢から逆転に転じかけようとしているときにばかひとみに
ばかなことを言われて腹をたてつつも将棋の勝負は結末を迎えつつある。

はたして勝負の行方は・・・

時刻は朝11時13分

とうとう勝負が終わる時が来ました。

二郎さんの「まいりました」の声。
私の勝ちです。

誰もみていませんでした。

我々は「ありがとうございました」と
お互いの労をねぎらい、
またお互いの力を認め合い、
「また今度ね」と言葉を残し、
私は席を立ちました。

私は我に返り、現場の仕事に戻ります。
といっても特にやることはなさそうです。
ひとみさんが全部ひとりでやってしまっているからです。

時刻は11時20分

「あれ?往診まだ来ないの?」ひとみさんに声をかけます。
「はい~」(ちょっと遅れてますね~)とひとみさんの声。

そうなんです。
往診の日だったのです。

往診の日とは提携している病院の医者と看護師が月に1回、
我がグループホームに来て、利用者さんたちの健康チェックを
してくれる日のことです。

「飯食う時間になってまるべな~」と私
「そうなんですよ~」とひとみさん

と言いながらも私どもはその提携病院のおかげで飯を食わせてもらっていると言っても
過言ではないほど、いろいろとお世話になっているのです。

入居者さんを紹介していただいたり、入居者さんが入院したり、
薬を処方していただいたり、薬を作ってくれたり、
利用者さんの状態が悪くなったときは、急にかけつけてくれたり、
医療的なことでわからないことや確認したいことがあれば、
電話を一本すればいろいろと教えてくれるし、

開設以来13年のつきあいのある大病院様です。
足を向けては寝られません。

まして「おせんだね~」などとは言ってはいけません。

時刻は11時半を過ぎました。

続く・・・


久しぶりの日勤です。5

Posted on

前回までのあらすじ・・・

朝からサタさんにつかまり、
新しい入居者さんが入る居室のチェックを終え、
二階の事務所に上がろうと思ったら今度はキヨエさんにつかまるも、
無事に事務仕事をいくつか終え、福祉タクシー事業の担当者と打ち合わせをし、
下に降りて行ったらまたキヨエさんにつかまるも、
とうとう現場にたどりつきます。
最初に待っていた仕事は将棋の代打ち。相手は二郎さん。
しかも形勢はかなり不利。

はたして勝負の行方は・・・・

しばらくの間、両者一歩も譲らぬ均衡状態が続きます。
開始30分が経過したあたりでしょうか(将棋中は時計はみていません)
二郎さんがとうとうミスをしました。

私に飛車角両取りを桂馬でされてしまったのです。
二郎さんは飛車を逃がします。
私は角をいただきます。

これで二郎さんは飛車が二枚。
私は角が二枚。
これで五分五分です。

ここまで持ってくるのに30分も使ってしまいました。
すべてはばかひとみのせいです。

しかし、ここからが本当の私と二郎さんとのいつもの勝負です。
それからも両者一歩も譲らぬ状態がさらに30分続きます。
しかし、確実に一手一手と局面は終盤に近づいていきます。

開始後1時間が経過した頃のことです。

お互いどっちが先に詰ませることができるかと、
他をよせつけない緊迫した真剣な空気が流れている、
まさにそのときに、、、

我々のそばを通りかかった空気を読めないあるひとりの女が声をかけてきました。
ばかひとみです。

ひとみ「何回目ですか~?」
 私 「一回目だね!!」(誰のせいでこうなったとおもっちゅんずや!!)

一蹴です。

そばでそれをみていた男性職員が大笑いしました。

ばかひとみはえへらえへらと笑みを浮かべながら去っていきました。

時刻は朝11時を過ぎました。

続く・・・


久しぶりの日勤です。4

Posted on

朝からサタさんにつかまり、
新しい入居者さんが入る居室のチェックを終え、
二階の事務所に上がろうと思ったら今度はキヨエさんにつかまるも、
無事に事務仕事をいくつか終え、福祉タクシー事業の担当者と打ち合わせをし、
下に降りて行ったらまたキヨエさんにつかまる。
しかし、その対応も難なく終え、とうとう本来の昨日の勤務先である現場に行きます。

時刻は朝10時
10時といえば、グループホームの現場ではお茶とおやつの時間です。

私の顔をみつけるなり、「代わってくださ~い」とある女性スタッフの声がします。
なんだいきなり。と思って声がする方を見ると、
ひとみさんが二郎さんと将棋を指しています。

あ~将棋をしながら他の利用者さんたちも見守りしてたのか~ととっさに判断した私。
あ~(遅くなってごめんね)と思いながら、
将棋をしながら他の利用者さん達も見守りできる位置に座る。

将棋の盤面はまだ序盤。
しかし、飛車が一歩も動いていない王のすぐ上にある。
そして相手の二郎さんの飛車もその直線上にある。

なんということでしょう。。。
中飛車VS中飛車です。

幾度もの勝負を私とは重ねてきた二郎さん。
しかし、このような打ち方は初めてです。

相手が変わればこうまでも変わるものなのか。
私は驚愕しました。

しかも、局面は二郎さんの持ち駒がひとつ有利。
これは、まずい。
不利だ。
とっさに判断した私は、飛車を人差し指で押しながら
ひとみさんに文句をつけました。

「なんでこったどごに飛車おぐんづや~」(この下手くそが)
「こんど、わぁどやるが?」
「こてんぱんにしてけら」

それをそばで見ていた男性スタッフはなぜか大笑いしています。
ひとみさんもえへらえへらと私が何をしたっていうのよ。というような顔をしながら
笑っています。

二郎さんだけが真剣な顔つきです。

私はひとみさんに再度同じ文句をつけながら、最初に指す一手を考えていました。
このまま普通に指していては負けるのはあきらかです。
一手目を指しようがないのです。

しょうがないので私は飛車を捨てて金を取りに行き、角と金で勝負をすることに決めました。
定跡を外した打ち手をすることにより、相手を混乱させ、相手のミスを誘う戦法です。
二郎さんは必ずどこかでミスをします。
そこを見逃さなければ勝てると踏んだのです。

時刻は朝10時10分
他の利用者さんの皆さんはおやつとお茶を飲み終えました。

将棋盤を通した二郎さんと私の戦いはまだ始まったばかりです。

続く・・・


久しぶりの日勤です。3

Posted on

朝からサタさんにつかまるが、他のスタッフにそのバトンを渡し、
新しい入居者さんが入る居室のチェックを終え、
二階の事務所に上がろうと思ったら今度はキヨエさんにつかまった私。
やっとそれももきりよく終わり、とうとう二階の事務所へ上がりました。

2階に上がったら履歴書が届いていたのでまずは面接の日時のアポ入れをします。
次に部下が机に上げてくれた郵便物や書類に目を通して処理します。

その日の最も重要な事務仕事は月末の支払いのチェックでした。
事務の相馬さんが作ってくれたデータを元に、
請求書の金額と銀行振込予定の金額が一致しているかをチェックします。
バッチシでした。
相馬さんもたったの3か月でずいぶん成長されました。

それから事務に関する細かい指示をいくつか相馬さんにして、
いよいよ1階の現場に入ろうかと階段を降りようとしたところ、

福祉タクシーの運ちゃんが車のことで相談がある。と来たのでそれに対応します。
福祉タクシー事業がらみの報告や相談が他にもいくつかあったので30分は使いました。

そしてとうとう1階の現場に入れる。と、
階段を下りて行ったところでまたキヨエさんにつかまりました。

キヨエさん「行ってきたのが?」
  私  「(内心。え~ここは覚えてるの!?と思いながら)はい・・・」

キヨエさん「そうが~おらだっきゃ~ホニャララホニャララ~」
  私  「あ~」

キヨエさん「ま~ホニャララホニャララ~」
  私  「・・・」

このようなやりとりがしばらく続きます。

そして彼女は言いたいことを一通り終えると、
右上方の方、遠くの方(そこには厨房があり調理員が昼食を作っています)をみて、
眠そうな顔になります。
そしてしばらくこちらに顔を向けなくなります。
まるで私がここにいることを忘れてしまったかのようです。
(たぶん実際に忘れています)

この間、約5分
時刻は朝10時ジャストです。

続く・・・


久しぶりの日勤です。2

Posted on

病み上りで3日ぶりに会社に来た私。
やらなくてはいけない仕事がたまっているが、
いきなりサタさんにつかまる。
他のスタッフの助けを借りてなんとかその場を後にすることができた。
次に私がした仕事は・・・

サタさんの部屋を出て、すぐに日勤で勤務するユニットに行くべきなのですが、
サタさんの部屋の3軒隣りに新しい入居者さんが入る予定があったので、
その居室の確認をしに行きました。

細かいところをチェックして、整理整頓をします。
前の入居者さんが置いていった私物や備品を処分して、
壁に残っていた画鋲などを外します。
それから手すりやベッド柵の強度のチェック。

こんな誰にでもできる仕事は以前の私ならスタッフにやらせているのですが、
朝のスタッフたちはサタさんの対応やら申し送りやら掃除やらで皆忙しそうです。

自分がやれば10分で終わると思い、さっさとその作業を終えました。

次に1階の事務所へ行き、郵便物の確認。
履歴書が届いているはずなのに、まだ届いていない。
2階の私の机の上に上がっているのかな?と思い、
その旨を現場に伝えて2階の事務所へ。
と思っていたら、
2階の事務所へ上がる階段の横にいるキヨエさんに声をかけられます。

キヨエさん「あそこ〇✖△◇!」
  私  「・・・」

キヨエさん「おめぇ%$#&!」
  私  「うん・・・」

サタさんの言ってることは半分も理解できませんでしたが、
キヨエさんの言ってることはさらに理解不能です。

しかし、理解不能でもあちらは一生懸命に語りかけてくれています。
機嫌もかなり良さそうです。
しばらくつきあうことにします。

5分ほど会話(会話か?)が続いた後、
とうとう判別できるセリフが出ました。

キヨエさん「おめぇ高田(地名)だべ?」
  私  「いや、オラは浜田(地名)だ」

キヨエさん「あ~んだったが~!!ガハハハハ」
  私  「あはははは」

キヨエさん「・・・・」
  私  「2階に行ってくるがら」

キヨエさん「あ~んだが。気つげで行って来いよ」
  私  「ありがとう」

時刻は朝8時55分です。
続く・・・


久しぶりの日勤です。1

Posted on

皆さん、こんにちは。
病み上りの鈴木です。

昨日は久しぶりの日勤でした。
会社に行くのは3日ぶり。

それなりに仕事がたまっていました。
まずは現場に入る前にトイレに行きました。
職員用のトイレは私の勤務しているユニットとは別のユニットにあります。
トイレをでた瞬間、目の前にサタさんという利用者さんがいて、
声をかけられました。

なにやら一生懸命訴えてくれているのですが、
滑舌が悪く、早口で、なまりがきついため、半分も言ってることがわかりません。
とりあえず、サタさんの居室に入ることに。

サタさん「そこの上のふすまに~#$%&’()!!」
 私  「あ~ふすまに~」

サタさん「薬が~*‘+?>〇△!!!」
 私  「あ~薬が~」

サタさん「娘が~ホニャララ」
 私  「うんうん」

このようなやりとりが延々と続きます。
ところどころの単語ははっきりと聞こえるのですが、
話してくれている内容はほとんど理解不能です。
まるで外人と話しているようです。

そこのユニットの夜勤明けのスタッフが心配して見に来てくれました。

サタさん「したばって〇△◇」
 私  「あ~そうなんだ~」

続けて日勤の美人スタッフも来てくれました。
サタさんはあいかわらす一生懸命我々に何かを訴えています。

僕はサタさんに気づかれないように、2人のスタッフに小さい声で言いました。

 私 「何言ってるか全然わからない(笑)」
2人 「(笑)」
 
そして彼らは私にサタさんが訴えている内容を説明してくれました。
私には判別不能なサタさんの言葉が普段一緒に過ごしている彼らには
判別できるようです。

驚きました。
外国語を話せる人を尊敬してしまうような、一種畏敬の念を私は彼らにもちました。

彼らが翻訳してくれたサタさんの話している内容を聞いて、さらに私は驚愕しました。
どうやら箱に2つ入っているはずの薬が1つなくなっていると言っているそうなのです。

え~!!!
そうゆうことだったの!?

しかもその薬は市販の薬ではなく、30年もサタさんが
毎日使っている大事な漢方薬なのだそうです。

その薬の名前も本人から教えてもらいましたが、
意味不明な中国語のような名前だったので忘れました。

しかも後から値段を知ったのですが、けっこうな高価なものでした。
そりゃサタさんにしてみたら一大事だわな。
妙に納得してしまいました。

ここまででで朝の始業開始から15分経過です。

続く。。。


私にとって仕事とは?

Posted on

みなさん、こんにちは。
と言いながら、
誰に向けてこのブログを書いているのかわからなくなっている鈴木です。

先日、ある雑誌社から取材の申し込みがありました。
地域をリードして日本の未来を創る経営者にフォーカスして、
仕事についての思いや情熱を語って欲しい。
のだそうです。

電話をかけてきた担当者はこのブログを読んでいないのでしょう。

私は地域をリードする気もないし、日本の未来を創っているつもりもありません。
(子供は創りましたが)
また仕事についての思いや情熱も特に持ち合わせてはいません。
(この仕事においてやるべきことは明確であり、それをたんたんとこなすだけです)

なんということでしょう。。。

嘘を語ることは容易ですが、公にそれを語るのは私の美意識が許しません。

よって、すぐにお断りしました。

過去に、地元の新聞社や全国紙から取材を受けたことが何度かあります。
ある全国紙から、就職活動中の学生に向けて「仕事とは」というテーマで語る。
という依頼を受けたことがありました。

何を語ったのかはほとんど覚えていません。
所詮昔の、若かりし頃の私が語ったことです。

この取材を受けた目的は二つあります。
ひとつは親が喜ぶと思ったから。
もうひとつは、うちに働きに来てくれる人が増えるかな?と思ったからです。

しかし効果はほぼありませんでした。
若い人は新聞なんて読まないですもんね。

ひとつだけその記事の内容で覚えている箇所があります。
それは、ある男性利用者さんが、朝起きて洗面所に行き、
そこの窓から見えている山に向かって手を合わせて拝んだ。
彼のその感性は素敵だと思った。
というくだりです。

もうひとつ思い出しました。
その利用者さんは杖で周りの利用者さんや職員をたたいたり、強い暴言がありました。
私も最初は嫌われていて、好かれるようになるまで毎日マンツーマンで接した。
というくだりです。

もし、私にとって仕事とは?なんてテーマで語っていたとしたら赤面ものですよね。
あくまでも「私」にとっての仕事ですから、
記者に何か言えと言われて適当なことを言っている可能性も無きにしもあらずですが、
新聞でそれを語るということはまずないだろうと思います。

気になってきたので担当にその記事を探してもらうことにしました。

みつかったら、恥を忍んで公開しますね。

追伸
見つかりました。
5年前の記事でした。

読売新聞掲載記事


一家全滅!?

Posted on

みなさん、こんにちは。
娘に風邪をうつされてしまった鈴木です。

昨日の夜勤明けの朝方に急に下痢が始まりました。
体調が悪いのを隠しつつ8時半ガンで帰社しました。

昨日の明けで帰ってきてから今日の昼頃まで、
24時間以上ずっと寝込んでいました。

おかげでだいぶ回復しました。
大事をとって明日の夜勤は代わってもらいました。
めいちゃんありがとう。

私に風邪をうつした娘は今日になってママにもうつしてしまいました。
熱が39度まで上がってしまったそうです。
なんとういうことでしょう。。。

1娘が書いたママの絵です

ちなみにママの髪は緑色ではありません。

娘に今のママの絵を描かせたら、髪は何色になるのでしょう・・・

2
この絵はコンクールで入賞もしました。
確かに、ミロやピカソのような色使いです。

来月はパパの顔の絵を描いてくれるそうです。
私の髪は何色に描くのでしょう。


セラピー犬のふうちゃんとひらりちゃん

Posted on

先月に引き続き、NPO法人北東北捜索犬チームの
ふうちゃんとひらりちゃんが利用者様に会いに来てくれました。

image1

左がひらりちゃん、右がふうちゃん
ツーショットがお似合いです。
とても仲が良さそうでした。

image2

最初は怖がっていましたが、慣れてきたのか
K様「わいー、おとなしくてめんこいのー。名前なんて言うの?」と質問していました。

image3

K様ご夫婦「飼うとすごいかわいいけど亡くなると寂しい気持ちになるよねぇ。」
と話されておりました。

人気者だった、ふうちゃんとひらりちゃん。
利用者様全員にかわいがってもらって嬉しそうでした。

NPO法人北東北捜索犬チームの皆様、ふうちゃん、ひらりちゃん
ありがとうございました。


夜勤明け中です。4

Posted on

前回の続きです。

帰宅欲求が非常に強いK様。
1時間マッサージをしてもお休みになることはなく、
まだ帰るとお話ししています。
家のシャッターの鍵を開けてきたかもしれないと心配しているのです。

時間は夜10時。
私は医者のふりをして聴診器を持ってKさんの診察を始めました。

私 「Kさん、今日はどこが悪いんですか?」
K様「ん~特にどこもわるくないんですけど(笑)」

私 「腰は痛くないですか?」
K様「ちょっと痛いわね~」

私 「それでは、あちらに横になってください」
K様「はい」

言われるがままにKさんはリビングのソファーベッドに横になります。

「Kさんこれに着替えてください」
再度パジャマに着替えさせます。

そしてまたマッサージを始めました。
そして、また色々な話をしました。
例えば痔の話や、村上先生に旦那のがんをいちはやく発見してもらった話です。
そしてシャッターの鍵をかけて来なかったという話です。

K様はまたもや眠りにつきません。
寝そうで寝ないのです。
また1時間が経過しました。

時間は夜11時
私はK様を家に連れて帰ろうと決めました。
正確に言うと、家に行ってシャッターの鍵がかかっていることだけを確認すれば
気が済むだろうと予測しました。

夜勤中の留守番を長内さんに託し、
私はK様を車に乗せて、ここから10分とかからないご自宅へ連れて行きました。
K様は家の近所の中華料理屋まで行けばそこからご自宅までの道を記憶されています。

夜11時といってもここからK様のご自宅までの幹線道路はまだ明かりが灯っている飲食店やスーパーも多いです。

ここはジャスコですよ。
これはビジネスホテルですよ。
などとバスガイドの様にいちいち案内をしてK様の気を紛らわします。

そして、とうとうK様のご自宅に着きました。
すると外の外灯も家の玄関の明かりも家の中の明かりもついていました。

K様「あら、電気がついてるわね」
私 「・・・・う、うん・・・」

ご自宅を過ぎてあえてとなりの家の前に車を泊めます。
私の車はスモークがかかっているのでK様からご自宅はよく見えません。

私「Kさん!シャッターの鍵がかかってるかどうか確認してきますね」
K様「はい。お願いします」

急いでKさんを車に残したまま私は実際にシャッターを開けてみました。
鍵がかかっていました。
泥棒だと通報されたらどうしようかと一瞬冷や汗ものでした。

急いで車に戻り

私 「Kさん!シャッターに鍵かかってたよ!」
K様「あら、そう」

私 「・・・よかったね~!!」「じゃあ帰ろうか」
K様「そうだね」

私 「もう夜12時になるよ。お嫁さんももう寝てたよ」
K様「そうだね。」
私 「・・・・」(Kさんは既に家に明かりが灯っていたことなどは忘れているのです)

拍子抜けしながら来た道と同じ道を戻りました。
そしてK様にまた同じ案内をしました。

 私 「Kさん、ここがジャスコだよ」
Kさん「あ~そうだねー」

Kさん「あれは何?」
 私 「あれはホテルだよ。ビジネスホテル。最近できたんだよ」
Kさん「あ~」

あっという間に苑に到着。

疲れたKさんはそそくさと部屋に入りすぐに眠りにつかれました。

いったいあの苦労はなんだったのでしょう。
夜12時までつきあってくれた長内さん、ありがとう。

あれから1週間がたちますがKさんの帰宅欲求はまだまだ現在進行中です。
今も毎晩毎晩みんなで力を合わせて対応しています。

この重度の帰宅欲求はあと2週間はかかるかな~。
いつも遅くまで残業させてしまってごめんね。